増税前の駆け込み需要狂想曲

はい。気が付いたら3月も最終日。明日から新年度。ちぅコトは、消費税が8%になりますな。コレを機にタバコも止めようと思いますが、果たしてどうなるか。で、昨日の日曜日も、近所に買い物に行くと”増税前の買い溜めラストチャンス”とかで、日用品や冷凍食品、缶詰やレトルト食品、酒類を売り場の全面でアピール。関東地方は朝から大荒れの天気で、開花した桜の花も散っちゃうんじゃねぇかと心配するぐらいだったのに、消費者心理ってのはスゴいね。みんな、ショッピングカートに山の様に米やら発泡酒やらトイレットペーパーやらインスタントラーメンやらを積んでました。でも、どぉなんでしょ?トイレットペーパーやら箱ティッシュやらを消耗品だし痛むモノじゃないからって買い溜めして、いつ使い切るんだか。例えば、5箱で税抜298円の箱ティッシュ、5%の税込は313円だとする。8%になったら322円。その差、9円。チリも積もれば山となるとは言え、そんだけのために嵩張るモノを買って、自宅に置いておくモンかね?邪魔になってしゃ〜ねぇわ。


朝の番組でも買い物客にインタビューしてて、日用品を含めた1万数千円の買い物を増税後と比較して「500円ちょっと得をした」と言ってました。さらに「お肉のパック一つ分だと思うとバカに出来ない」的な発言。それが一般的な主婦感覚ってモノなのかな?心理としては分かるのよ。「どぉせいつかは買うモノだから、安いうちに買っておきたい」っていうのは分かる。ただ、家とかクルマとかなら3%とは言えバカにならない金額だから駆け込み需要ってのも分かるけど、日用品やらインスタント食品を買い溜めしたトコで、たかだか数百円とかのレベルなのに、家族揃って目の色変えて買い物してるのが、分からない。理解できない。そんなに爪に火ぃ灯すような赤貧生活を送ってるの?昨日もダース入りの発泡酒の箱を4箱も積んだお父さんを見たけど、だったら飲まなきゃイイのに。酒なんて嗜好品だろうがよ。しかも発泡酒。ビールが飲みたいけど高いから発泡酒で我慢っていう心理が透けて見えるよな。そんな必死になるぐれぇなら、オレは週イチでプレミアムモルツかエビスを1本だけしか飲まないっていう生活を選ぶわ。まぁ、こんなコト書くと「1円を笑うモノは1円に泣く」とか言われるんだよな。


別に小銭を蔑視してるワケでもないのね。ただ、そこに固執して得るモノがねぇな、って思うだけ。お金は大事よ。生活していくうえで、お金が無いのは問題外。まずはお金がベースになるってコトぐれぇ、40過ぎりゃ分かってるわ。でも、それが”目的”になっちゃってねぇ?「○○円、得した」とか、得するコトが買いモノの目的になってる。実際に得してんのかどうか知らねぇけど。志の輔新作落語に『ハンドタオル』ってのがあるのね。買い物に行った奥さんが、スーパーで「3,000円以上お買い上げのお客様にハンドタオルをプレゼント」っていうキャンペーンを見つけて、3,000円になるようにレジの横にあった見切り品のシュークリームのパックを3つカゴに放り込んで買って帰るって噺。それを聞いた旦那さんが「オマエはどうしてそうなの?」って怒るワケさ。「え?なんで?ハンドタオルが貰えたのよ?」「だからって、賞味期限が今日のシュークリームを3つも買う必要ないだろう?」「でも、シュークリーム買わないとハンドタオル貰えなかったのよ?」っていうやりとりがあるのね。増税前だからって、日用品やらをガンガン買うって、それに近いカンジに思えるんだわ。「増税前に買ったからお得だったわ」って。確かにハンドタオルを貰えるからってシュークリームを買うのと、いつか買うモノだから買うってのは、若干の違いがあるのかも知れないけど、そんなん些細な違いでしかない気がする。


でね、オレの予想では、スーパーとしても増税前の駆け込み需要で相当モノが売れるだろうからって在庫もいっぱい用意したんだけど、全部が売り切れるワケじゃねぇから、結局は在庫が余っちゃって、4月の中旬ぐれぇになったら、在庫一掃的に増税前と同じぐらいの価格で安売りするんじゃねぇかと思ってる。70年代のオイルショックの頃じゃねぇんだから、モノが無くなるワケじゃねぇしな。まぁ、イイんじゃねぇの?それでも「得した得した」ってホクホクしてる人も居るんだから。