オークション大魔王

LINE殺人の無職少女の屈託の無さに薄ら寒い思いをしているTARです。
「正直いつでてこれるかわからんけど、でてきてまた、あそぼーね」て!おめぇ「人殺し」じゃん!どんだけポジティブな未来予想図を描いてんだよ!ブレーキランプ5回点滅はヒ・ト・ゴ・ロ・シのサインだよ。あまりの前向きさ加減にビックリするわ。


ネットオークションってやりますか?
オレも昔は舞台のチケットを取るために何度か利用したコトがありますが、基本的にメンドくさがり屋なんで、気になる物件に入札して、継続的に入札の経緯を見て、再入札してって手間がメンドくさいんで最近は全然やらない。
それでも、過去にリリースされた廃盤CDだけはどうしても手に入れたいんで定期的には覗いてみるようにしてる。


そんなネットオークションで面白いのが「官公庁オークション」ね。
なんらかの事情で税金を滞納した人や法人から税金の形に差し押さえた物品(不動産含む)をネット上でオークションにかけるのが官公庁オークション。
普通のオークションと比べて商売っ気がないんで「誰が欲しがるんだよ?」っていうとんでもない珍品(10年以上前のISDNルータとか)が出たり、「それ、あまりにも安過ぎねぇか?」とんでもない低価格(ベンツが100円からスタート)で出たりと、なかなかに面白い。
特に、差し押さえられた人の個性が出ちゃうモノが出品されたりすると、ホントに笑う。
実は今、某有名ネットオークションのある自治体から出品されているモノが面白くって。
ズラズラ〜っと並ぶDVDの数々。ラクに100枚は超えてると思われるコレクション。多分、同じ人から差し押さえられたモノなんだろうなぁ。
DVDばっか観てねぇで、税金払えっての。ゲラゲラゲラ。その中でも一際目を惹くのがヤクザ系のドキュメンタリーDVD&VシネDVDね。
「実録!昭和の組長」とか「抗争!なにわ任侠道」とか。タイトルはオレが適当に書いてるけど、ほぼそんなカンジ。
VシネのDVDなんて出てる役者はほとんど同じなの。それも竹内力とか哀川翔とかビッグネームじゃなくて、小沢仁志とか白龍とか中野英雄とか、まぁ言ってみりゃVシネでしか見ねぇようなB級役者しか出てないDVDなの。タイトルが違うだけで、多分ストーリーも大差ねぇだろうよ?ってのばっか。
しかもシリーズモノで4巻までちゃんと揃えてたり。初めてなのに「アレ?コレ、観たコトねぇか?」ってならないかね?水戸黄門みてぇな様式美の世界なのかも。
で、この人、格闘技系にも興味があるらしく、プロレスや打撃系の格闘技の試合のDVD、ムエタイ出身の役者が出てる映画のDVDとかも取り揃えております。
「税金滞納」「ヤクザ系&格闘技系に興味アリ」って、もぉこの時点で、ちょっとアレの人だよな。ナニがナニだから詳しくは書かないけど。
だけど、ちょっとカワイイトコもあって「いま、会いにゆきます」とか「真夜中の弥次さん喜多さん」、「東京タワー」「トリック」なんてタイトルも揃ってるの。
プラダを着た悪魔」「ブリジット・ジョーンズの日記」「僕の彼女を紹介します」なんて、”ピー”に”ピー”が入ってるオヤジが観る映画じゃねぇだろ?
もしかしたら本人の趣味じゃなく、姐さん(もしくは愛人)の趣味なのかも。どちらにしても、あまりにも極端なライブラリーだってコトは誰の目にも明らかでしょ?
役所の人もマメなのか、わざわざ注釈を付けてくれてるんだよね。
「DVD及びケースは職員により清掃をしていますが、保管状態が悪かったようで、タバコの匂いが付着しています。(どうしても匂いが気になる方は、入札をおすすめしません。)」
出品されてるDVD全部にこの一文が付いてるんで、同じ人から差し押さえたモノだと確信するのよ。


薄暗い部屋に大画面TVの明かりだけが光ってる。画面には韓国映画オールドボーイ」のワンシーン。
派手なシャツを着た男が本革張りのソファにだらしなく座りながらタバコをくゆらせている。部屋の隅には若い男が立っている。
嫌韓だなんだって言っても、最近の韓国映画はクォリティが高ぇよなぁ。このパク・チャヌク監督なんて天才だよなぁ?なぁ、ヤス」
「・・・アニキ。オレぁ映画のコトは全然分からないっスよ。・・・そんなコトより、オジキの言ってた例の件、アレ、どうするつもりっスか?」
「ヤスぅ。おめぇ、偉くなったモンだなぁ。オレに意見するってか?あぁ?」
「イヤ、そんなつもりは!ただ、オジキを怒らすとどうなるかは、アニキだってご存じじゃないですか!」
「だったら、そのオジキには眠ってもらうしかねぇなぁ。なぁ、ヤス」
TVの大画面には、陰惨なバイオレンスシーンが映っている。それを見つめながら、男はゆっくりとタバコの煙を吐いた。
そんな光景が目に浮かぶようです。ウソです。オークションに出品されたモノだけで、そこまでの妄想を膨らませるには、なかなかの剛腕が必要です。このままじゃ、オジキ、殺されちゃうし。


他にも、別の自治体からは「岡田有希子写真集 ヴィーナス誕生」が1,000円(高いか安いかの判断も出来ねぇ)で出品されてたり、岡田有希子がCMをしてた月星シューズの下敷き(裏は1985年のカレンダー)が2,000円(高過ぎやろ!)で出品されてたり、岡田有希子のCD/DVDボックス「贈りものⅢ」(7枚組)が11,000円(そこまで出すマニアは既に自分で持ってるやろ!)で出品されてたり、どんだけ岡田有希子が好きなんだよ!っていう、明らかに同じ人から差し押さえられたアイテムが並んでいます。
この人も税金が払えないから、泣く泣く差し押さえに応じたんだろうなぁ。多分、下敷きなんて二度と手に入らないと思うわ。
岡田有希子のファンってコトは、40代後半から50代なんだろうなぁ。その年齢で税金滞納で現物差し押さえって、どんだけ経済的に逼迫してるんだろう。ナニがあったんだろう?今頃、ナニをしてるんだろう?


匿名性の高いネットの世界だとは言っても、こんなオークションからでも人間の悲哀ってモンが透けて見えてきますな。