腹が減った時の「ペコペコ」って、アレ、なんの表現?

ここんトコ、やけにメディアで取り上げられるユルキャラ「ふなっしー」(船橋市非公認)ですが、もぉ知名度的には全国区なのかな?生まれてから船橋市に13年も住んでいたTARです。元市民としてはナマ温かい目で見守っていますが、他地区の人からみたらウザくねぇ?くまモンみてぇに愛嬌があるワケでもねぇし。結局、ふなっしーのユルキャラとしてのルックス云々よりも「中の人」のキャラクターでウケてるんじゃん。こんだけ売れっ子になると、夏休み中のイベントとか、いろんなトコで引っ張りダコだろうね。これからの季節的にも「中の人」は地獄だろうな。梨汁ブシャーって出てそうだわ。


元々食べ物に拘泥しないタイプの人間ですが、食に関するエッセイを読むのが好きって話は、既に書いた、気がする。
特に池波正太郎平松洋子がお気に入りで、新刊が出るとついつい買ってしまう。池波正太郎の新刊はもぉ出ないけどね。
ってコトで、平松洋子先生の新刊。この人の文章も独自性があって、読んでいて「手になじむ感覚」がある。「くたくたに煮る」とか、この人独特の表現方法が、その素材・料理を手のひらで包み込むかのように寄り添うカンジがして、とても安心する。
しかもこの人、酒飲みってコトでさらにぐっと距離が近づく。夏はビール、冬は日本酒。それぞれの季節に合った酒と料理を、飾らない人柄、飾らない文章でつらつらと書き進められているので、読んでる間は束の間の小旅行気分。腹は減るけど。


バブルの頃は、グルメの話題と言えば「高級フレンチ」や「A5ランクのシャトーブリアン」などお高いメニューが定番だったけど、最近は世相を反映してか、身近な定食屋やB級グルメが定番になっているように思うのってオレだけ?
TV番組でも、芸能人が街歩きと共に、その人の行きつけのお店でオススメ料理を食べて「まいう〜」とか言ってるのが多い気がする。そんなに高級なモノを食べなくても、御近所で美味しいモノはいっぱいありますよ的なアプローチ。制作費の関係なのかな?
また、同じようなアプローチとして、テレ東のドラマ『孤独のグルメ』もシーズン3に入り、非常に好評のようで。オレの周りでもファン多し。基本的にサラリーマンが一人でぶらりと食べに来るモノにそれほど高級なモノはないハズだから、おのずと親近感が湧くのも事実。また、寡黙な井之頭五郎役の松重さんのコワモテが、お目当ての料理を前にするとニッコリとなるあの瞬間。画面を見ながら一緒に「うわぁ〜!美味そぉ〜!」ってテンションが上がる。こういう演出も、平松洋子の文章に近いカンジがして、もぉスグ寝る時間だってのに、腹のムシが鳴きだして困る。
本書でも、その『孤独のグルメ』の作画でお馴染みの谷口ジローが挿絵マンガを書いているので、それを読むのも、これまた一興。
平松洋子の文章で口いっぱいに唾が湧き、谷口ジローのマンガでその唾を飲み込む。どうにも腹が減って仕方がない本であるコトは間違いない。
食い道楽を自認する諸氏には、是非とも手に取っていただきたい一冊です。


折角ですので、食に関する豆知識。
来週月曜は土用の丑の日。ちょうど今が一年中で一番ウナギの需要が高まる時期。近年、漁獲高が激減して価格が高騰しているとは言え、今週末にウナギを食べるって人も多いと思います。
御存知の方も多いとは思いますが、土用の丑の日にウナギを食べるという習慣を言い出したのは平賀源内です。
元々、丑の日ってのは暦の上ではディセ・・・いや、節目に当たる日のコトで、新しい季節の始まりを意味します。これから来る暑い夏を乗り切るために、精のつく食べ物を摂って頑張りましょうってのが土用の丑の日の意味。
で、昔から精をつけたい時には「う」が付く食べ物が良いとされており、信州では「ウマの肉(馬肉)」が食されていたり、地方によっては「梅干し」や、この時期ならカラダを冷やす作用がある旬の「瓜」なんかも定番だったらしい。
そこで、馴染みのウナギ屋から売上を上げるためのキャンペーンを考えてくれと頼まれた源内先生が、土用の丑の日に「う」の付くウナギを食べるのが健康運アップの決め手!ってなコトで店先に張り紙をしたのがキッカケ。瞬く間に江戸中に広まって、今や「土用の丑の日=ウナギ」ってのが全国区。ウナギ業界も上手くやりやがったな感が否めません。


ちなみに、東京に多いドジョウ専門店。のれんに「どぜう」と書かれていますが、本来の旧かな使いなら「どじゃう」のハズ。なんで?
これは、同じように江戸時代より「偶数文字の食べ物は縁起が悪い」とされていたため、4文字ではなく3文字にするために「どぜう」にしたらしいよ。だから「そば」も2文字だけど、のれんには「きそば」(生そばの意)って3文字が書かれているんだよ。ただ、本来の生そばって、つなぎを使わない蕎麦粉100%で打った「十割蕎麦」だけが生そばなんだけどね。最近では二八蕎麦の店でものれんに「きそば」って書いてある。あれ、ホントは詐欺。大袈裟か?


こういう「食に関するウンチク」を知れるってだけでも、グルメエッセイって面白い。
ただ残念なのは、本中で大阪や京都のお店を紹介されるとすげぇくやしい。心斎橋の明治軒のオムライス。もぉ行く機会がねぇよ。