ヨーロッパ企画『建てましにつぐ建てましポルカ』観劇

昨日、一足早く秋冬モノのハットを被ってるすんごいカワイイ女の子を見た。オシャレさん。アレ、素人さんなのかな?もし、あの娘がオレと同じクラスにいたとしたら確実に好きになってるわ。でも、絶対に告白はしないTARです。恋には臆病なの。


昨日は、オレのフェイバリット劇団である「ヨーロッパ企画」の『建てましにつぐ建てましポルカ』を観に、小劇場のメッカ下北沢へ。メンツは、相変わらずうちの大番頭S&後輩Y。最近、コレばっか。
ヨーロッパ企画は京都を拠点とする劇団で、数年前から劇団員がちょいちょいドラマやCMに出演したりして、徐々に知名度を上げてきています。SFやファンタジーをモチーフとしたシチュエーションコメディーを得意とする劇団で、過去の舞台2作品が「踊る」シリーズでお馴染みの本広克行監督によって映画化(『サマータイムマシン・ブルース』主演:瑛太、『曲がれ!スプーン』主演:長澤まさみ)されるなど、知る人ぞ知る劇団です。主宰の上田誠氏は、あまた存在する小劇場系の劇団の中でも次世代を嘱望される若手劇作家・演出家の一人で、劇作以外にもアニメの脚本などの外仕事も手掛けています。小劇場系スゴロクのアガリと言われる本多劇場で公演を打てる程、固定客がついており、次は渋谷に進出?とファンは期待をしているのにイマイチ足踏み状態?



定期的に打たれる本公演では、毎回趣向を凝らしたテーマとシチュエーションで観客に嬉しいサプライズを提供するこの劇団。今回の公演では、舞台の上の限られたスペースに「巨大迷路」を構築し、様々な人間がすれ違い、右往左往するドタバタの群像劇を展開しています。我々が観た昨日は東京公演の初日というコトで、これから観に行く人へのネタバレを避けるために詳しい内容は割愛いたしますが、良くも悪くもヨーロッパ企画らしい舞台でした。
「舞台に巨大迷路を作る」っていうのはどういうコトだろう?劇場に入る前まで、アタマの中に「?」が渦巻いておりましたが、開演前の舞台を見た瞬間、ガッテンボタン連打。なるほどねぇ〜。彼らお得意の多重構造の舞台装置が鎮座。考えてみれば最近の彼らの舞台って常に3次元構造で、上下もしくは手前から奥へと広がるパターン。限られた空間を上手く使って、巨大迷路を作り出していました。(多分、オレの稚拙な文章では伝わりづらいとは思うので、興味のある方が是非劇場でご覧ください)


だけど、脚本の上がりが遅かったため稽古時間が十分取れなかったのか、セリフがキチンと入っていない役者が居たり、単なる演出効果なのか、集中が切れるようなシーンが挿入されていたりと、テンポの良さに欠けていたのが残念。あと、後半になってから伏線もなく唐突に新しい登場人物が次々に現れ、どんどんストーリーを進めてしまうので、若干の置いてけぼり感。
終劇後、オッサン3人でちまちまとビールを飲みながら感想を言い合っていた時も、もうちょっと前半に布石を打つべきと意見が一致。あと、キャスティングの変更が必要との共通認識。上田氏は劇団員それぞれにアテ書きをしているので、それぞれの劇団員が毎回同じような役を演じるコトが多いのですが、もうちょっとヒネリが加わるともっと面白かったのでは?と。特に客演で呼んだ女優2人の配役は逆だった方が良かったのでは?などと、それなりに目が肥えてるコトを自負する我々、好き勝手に厳しい意見。もちろん、アンケートにも書いたんですがね。
それでも、コメディーとしては相当面白く、まず迷路というシチュエーションが意外で、それに輪をかけるように登場人物の設定がユニーク。そこにセリフや掛け合いの面白さ、すれ違いによるコントっぽさ、メインストーリーとサブストーリーの複雑なカラミ等が付加されて、観終った後、単純に「はぁぁぁ。面白かった!」ってニコニコして劇場を後に出来るエンターテインメントになっています。しかも、上田誠氏が書く戯曲・セリフは、京都出身の彼の人柄が反映されているのか、どこか上品でおだやか。はんなり?違うか?最初から最後までバタバタとしてはいるんだけど(そりゃコメディーだからね)、イメージとしてホコリが舞うような慌ただしさや下品なセリフや暴力的なシーンがなく、なぁんにも考えずに安心して観て居られるトコはヨーロッパ企画の最大の特徴ではないかと思われます。


「舞台って観てみたいけど、なんだか敷居が高くて・・・」っていう観劇初心者に自信を持ってオススメできる舞台です。東京公演が始まったばかりで、当日券もあるようですから、ちょっとでも興味があるようでしたら足を運んでみてはいかがでしょう?ちなみに、東京公演では、終劇後に様々なゲストを呼んでのアフタートークがあるようです。(昨日の初日は無かった)是非!


ヨーロッパ企画『建てましにつぐ建てましポルカ』