「喪失感」と「ソースカツ丼」って、似てない

調子に乗って、さらに書く。
そう言えば、9月は妙に無気力だったのだが、仕事が忙しかったからというよりも、他に原因があるコトが分かった。
自己分析をすると「エースが死んだから」らしい。
イイ歳コイてナニが、言うにコト欠いて「ナニが”エースが死んだから”だ、バカ」と言われればそれまでの話だが、この喪失感はヤン・ウェンリーが死んだ時と同じぐらいの穴となって、オレの心に横たわっている。さすがに、高校生の頃とは違い、泣きはしなかったがな。
ヤンの訃報を知った時は、西日が差す自分の部屋で、ホントに号泣した。例えば、普通のサッカーボールは5号球なのだが、あの時のオレの号泣たるや、8号泣ぐらいだったと思う。意外に小さいか。その前の号泣の記憶は、小学校6年生ぐらいだと思う。ジャッキーの映画「五福星」の試写会が当たったのに、父親にその招待葉書を隠されていたコトが発覚した時だ。アレは7号泣ぐらいか。貯めたお小遣いを握り締め、2ヶ月に1度だけ映画を観に行くのが楽しみだった映画好きの小学生が、無料で映画を観るコトができるのは、試写会や前売り券を懸賞で当てるコトだけだったのに。多分、あの頃から、親父とのソリが合わなかったんだな。実家に帰ると絶対にケンカするからな。だから帰らないけど。
なんてなカンジでかなり脱線したが、9月はナニをやるにしても「そんなコトしたってエースは戻ってこねぇんだよ」とヤケになっていたように思う。って書いているが、多分、読んでる人「え?エースってナニ?」って思うかも知れないが、気にしない。完全自己満足型ブログだから。自分でググるか、下を見れ。

ONE PIECE 59 (ジャンプコミックス)

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で、その喪失感を埋めるかの如く「鋼の錬金術師」を大人買い。ひでぼん家で読まずに我慢した甲斐があったってモン。
本屋で中学生のズッコケ3人組が、なんだかよく分からないちょいエロ萌え系のマンガの最新刊を持って、
「え〜?オレが買うのぉ?」
「だって、そのために、さっき金返したやん」
「えぇねんで、自分が買わへんねやったらオレが買ぉても」
「いや、買うのはえぇねんけど、今買ぉたら、帰りになんにも買われへんようになるやん」
「そしたら、また貸したるって」
「オレも結構持ってるで、今」
「えぇ〜?どうしよかなぁ〜」
とかヌルい会話をしてる横で、棚から1巻から12巻までズッポリ抜いて、そのままレジへ。大人買いの醍醐味。
「うわっ!大人買いや!」
「あんなんホンマにいてるんや!」
「すげぇ!」
賞賛なのか軽蔑なのか分からない声を背中に受けながら、悠々と金を払うオレ。イイ歳して少年向けのマンガを大量に買ってるクセに、ナニを偉そうにしてるのか。
そう言えば昔、渋谷西武1階にWAVEがあった頃、当時の日本代表だった北澤が、CD20枚ぐらいを肩に担いで店内をウロついており、大学生のオレとひでぼんは「すげぇ!」「大人買いだ!」って言ったのを覚えている。それからは、CDは1枚2枚で買わずに、10枚ぐらいまとめて買うようになった。
また脱線したか。イイんだ。昔のブログは構成が決まってて脱線が許されなかったからな。
で、だ。よくよく考えてみると「鋼の錬金術師」なんて、右手と左足と弟の肉体を失った主人公の喪失と奪還の物語だった。喪失感を埋めるために、別の喪失感を持ってきたみたいなモン。二日酔いから逃れるために迎え酒を飲むようなモンか。
鋼の錬金術師 26 (ガンガンコミックス)

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