知的な人間だからマンガって読むんじゃないの?

シャワー浴びてカラダ洗ってたら、全然泡が立たなくて「そんなにオレのカラダって汚れてたの?」って思ったら、リンスでカラダを洗ってたTARです。だって、ボトルが似てたんだもん。お陰でスースーするわ。

ちぅコトで、少女マンガのネタが連チャンで恐縮ですが『かげきしょうじょ!』の流れで知った作品。


タイトルは「くらすはこ=暮らす箱=家」です。
それぞれの家で繰り広げられている他人の生活を覗き見るっていうスタイルの連作短編マンガです。
表紙はいかにもなカワイイ絵ですが、中身はちょっぴり毒があったり、考えさせられたり。
絵柄でダマされてしまいますが、意外にエグい恋愛ストーリーもチラホラと。
しかも女性目線のマンガですから、男性から読むと身につまされるようなエピソードも含まれています。
「他人の生活の覗き見」ですから、自分の家での生活が人に見られていると思って読んでみてください。
ソニア・パーク女史が著作で「人間の三大欲求のうち、2つはベッドの上」って書いていて「なるほどなぁ」と感心した記憶があります。
生活って結局は人間としての欲求を満たすための行為の繰り返しでしかなくて、そこにはネイティブな行動原理しかないじゃない?食べたい、寝たい、○○○したい。根源的で単純な欲求だからこそ、余計なモノが排除されて生々しくて面白いのかも。
プライベートな空間にその人のホントの欲求が現れるとしたら、あまりにも無防備だなぁ、オレ。


ちょっと横道ですが、昔から女流作家が描く”大人の恋愛マンガ”が好きなんですよ。
特に、直接的な表現じゃなくてもイイんですが、キチンとした”大人の関係=セクシャルな関係”を匂わせるストーリーのマンガを好んで読んでいました。代表的なトコで初期の内田春菊とか。あとは魚喃キリコとかやまだないと安野モヨコの初期とかも。
男性マンガ家が描くエロマンガって、やっぱり”ファンタジー”なんですわ。そりゃ男の立場で男向けに描いてるワケだから「男の願望」を叶えるマンガじゃないと誰も読まない。「そんな状況ねぇよ!」「そんな女の子いねぇよ!」って設定だとしても、ファンタジーなら成立する。しかも絵として直接的な表現ばっか。まぁ、男は視覚で興奮する生き物だから仕方ないコトなんだけどね。
でも、女性が描くエロチックな表現って、男とは違って冷静でリアルでしょ?
例えばニオイや手触り、体温や息遣いをリアルに表現する人が多くて、絵として”モノ”や”行為”を描かなくても、ちゃんと生々しい。
感情移入するワケではないけど、読んでいて違和感を覚えるコトも醒めるコトもない。お話として”○○○するだけ”じゃないから、最後まで読み進められる。ストーリーマンガとして面白かったってのはハマる要因としてデカかったかな。
今、ちゃんと大人になって、ある程度、女性とお付き合いをしてきた経験があるから分かるけど、若い頃は「なんでこういう表現で、こんなにリアルに感じられるんだろう?」って不思議だった。
簡単に言っちゃえば、そのものズバリを見せるより、ちょっとだけしか見せない方が、想像をかきたてられて、より興奮するという『パンチラ理論』なんだろうけど。
実際にも焦らされる方が、その後の快感が・・・ゲフンゲフンッ!


それにしても、元マイクロソフト日本法人社長の成毛眞って人が、プレジデント誌のインタビューで「知的な人間は漫画なんて読まないよ」って言ったらしく、ネットでえらく叩かれてんだと。
「そもそも知的な人間は漫画なんて読まないよ。海外企業のマネジメントなんて、漫画本の表紙すら見たことないだろうねぇ」
有名な大学教授や知的階級と言われる人達でも、スラムダンクやワンピースのファンを公言してる人がいるのに、ナニをねぶたいコト言うとんじゃ、ボケぇ!と散々叩かれた挙句の果てに、ツイッターで「プレジデントのやっつけ仕事でエライ目にあってしまった。二度とプレジデントの仕事は引き受けない」だって。
発言内容や真意がどうであれ、額の多寡に係らずギャラを貰った仕事に対して「やっつけ仕事」って言っちゃう人間性に唖然とさせられますな。こんなヤツとビジネスをしようとしたら、いつ「やっつけ仕事」にされるか分かったモンじゃねぇわ。
この人、日本のマンガやアニメがどれだけ海外で受け入れられて、どれだけの外貨を稼いでるのかも知らないんだろうな。フランスのバンドデシネも知らないだろうし、下手したら「コンテンツビジネス」って言葉すら知らねぇんじゃねぇの?