六本木って、歩いてる人全員が関東連合に見えるわ

なんだか、今年って秋が来るのが早い気がしねぇ?気温は高くても、どこか秋の気配が感じられて、早くブーツを履きたいTARです。でも、今月で『あまちゃん』も最終回を迎える予定。アキちゃんの活躍を観れるのも残り半月。10月からはナニを心の支えに生きていけばイイんだろう?


夏休み2日目の今日は、六本木の国立新美術館に『アメリカン・ポップ・アート展』を観に行ってきました。
アメリカン・ポップ・アート”ってリトグラフ(版画)の作品が多いんで、油絵のように”一点モノの作品”ではなく、世界中に同じモノが複数存在して当たり前。だからこそ、世界中で同じような主旨の展覧会が多数開催されています。その中でも今回は、アメリカのポップ・アート・シーンのパトロン(支援者)として、多くのアーティストと親交を持っていたジョン・パワーズ&キミコ・パワーズ夫妻のコレクションを中心に、「ポップ・アート」という言葉ができる前のジャスパー・ジョーンズの作品から、アンディ・ウォーホルやロイ・リキテンシュタインといった王道のポップ・アーティストの作品まで、約200点が一堂に会したモノで、本国アメリカでも、そのコレクションの全貌が明らかになったコトはなかったという貴重な機会。
特に、今回の目玉はウォーホルの代表作である「キャンベル・スープ缶」シリーズのうち、『200個のキャンベル・スープ缶』が初来日するとのコトで、関東連合の半グレ集団に襲われないかとビクビクしながら六本木に行ってきたというワケです。


オレ、元々、あまりアンディ・ウォーホルに興味がなかったのね。「キャンベル・スープ缶シリーズ」然り、「マリリン・モンローポートレート」然り、大衆に迎合したような分かりやすい”コマーシャルな作風”って印象があって、どうにも毛嫌いしてた。同じポップ・アート作家でも、ロイ・リキテンシュタインの場合は、コマ割りや吹き出し、擬音効果を多用したアメリカンコミック風の作品が特徴で、彼の作風に影響された江口寿史のマンガで育ったオレとしては、断然、ロイ・リキテンシュタインの作品の方が好きだった。
だけど最近、ウォーホルの魅力が分かってきた。キャンベル・スープ缶シリーズを発表した1960年代のアメリカって、第二次世界大戦の勝利によって、国中が好景気に沸き、大量生産・大量消費が美徳とされていた時代。ウォーホルは、スーパーマーケットでうず高く積まれたキャンベル・スープ缶を作品のモチーフにするコトによって、安易な大量主義・消費主義を皮肉っていたらしい。
そういうコトを知ると、それまで毛嫌いしてたウォーホルの”コマーシャリズム”も、アーティストとしての彼の反骨精神が感じられて、今までの無知を恥じ入る気持ちでいっぱい。
気持ちを真っ新にして、改めてウォーホルの作品を観ると、同じモチーフを繰り返し使うコトにより発生する「反復効果」が気持ちイイコトに気が付いた。例えば、CDのカタログ。誌面に同じフォーマットで様々なCDが紹介されている。ページをめくってもめくっても同じレイアウト。そういうのを見るのが好きなオレとしては、反復を基本とするウォーホルの作風って、どこかダンスミュージックに繋がる気がして、観てて心地がイイ。う〜ん。分からないかな。まぁイイけど。


ちなみに、上の写真は、『200個のキャンベル・スープ缶』の来日記念の、ホンモノのキャンベル・スープ缶200個のディスプレイです。さすがホンモノは、圧巻の一言。クリックしたら大きい写真が見れるよ。
この展覧会は10月21日まで開催していますので、興味のある方は是非、関東連合の半グレ集団に気を付けながら六本木まで行っていただけたらと思います。詳しくは、オフィシャルHP(下のリンク)を見てちょうだい。


『アメリカン・ポップ・アート展』