浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ

あまちゃん』でNHKのドラマ作りの本気を見せてもらい、完全に脱帽&脱糞。イチャコラしてるだけの民放のチンケな恋愛ドラマなんて、もぉ観れねぇわと思っていたところ、またNHKが気合の入ったドラマを始めました!NHKBSプレミアムで始まった『雲霧仁左衛門』が、アナタの「あまロス」を癒してくれるコトでしょう。
”キッチリヨコワケ鼻デカ兄さん”コト中井貴一が主演の今回の雲霧仁左衛門
過去に雲霧を演じてきた俳優さんのイメージから、勝手に雲霧って50過ぎぐれぇの設定って印象だったんで、中井貴一じゃまだまだ若いよなぁって思ってたら、中井貴一、52歳だって!えぇぇ!?もぉそんな歳なの?そりゃ、オレも歳とるワケだ。


で、先週の金曜日(10/4)から放送が始まりまして、たっぷり堪能させていただきました。
別にオレも前情報があって観たワケじゃなく、たまたまチャンネルを合わせたら始まったってカンジで、最初から期待もナニもなかったんですが、いやぁ、良かったぜぇ。やっぱりNHKのドラマは丁寧に作ってるってのが画面から分かる。CXの『鬼平犯科帳』もライティングやアングルに凝ってて、演出が上手いなぁって思って観てたけど、NHK質実剛健といった趣き。重厚感がある演出で、どんどん引き込まれたわ。
最初は、中井貴一じゃスマート過ぎちゃって盗賊の頭領ってカンジじゃねぇって思ってたのよ。育ちの良さが滲み出てるというか。DCカードでミキプルーン買い過ぎ感まる出しでコミカルというか。だけど、作り手の想いが画面から伝わるからか、次第に頭領に見えてくるのよ。良い!良いですぞぉ!犯罪人集団のトップらしいドス黒さはないけど、そのスマートさが「犯さず、殺さず、貧しい者から奪わず」を信条にしている義賊としての雲霧一家にマッチしてて、逆にカリスマ性を高めてるわ。


他には、木鼠の吉五郎役の伊武雅刀や七化けのお千代役の内山理名が出てます。内山理名、久しぶりに観ましたが、良いです。デフォルトで幸薄顔。それがまたそそる。すげぇイイ女、すげぇイイ女優になってました。
あと、オレ的には、州走りの熊五郎役の手塚とおるって人が気になって気になって。『半沢直樹』にも出てたようですが、オレぁ観てねぇから知らねぇ。ただ、最近、舞台を観に行って、劇場でもらうチラシに書かれた俳優名で、この人、ダントツの登場回数。若いんだか、若くないんだか分かんない。年齢不詳。このままメジャーにならずに、渋い脇役のままで居て欲しいなぁ。
さらに、売れに売れてる若手個性派俳優の柄本佑が、因果小僧六之助役でまた出てやがる!顔は地味、俳優としての押しも弱い、でも売れてる。なんで?缶コーヒーWANDAのCMで、エレベーターん中での大島優子とのやりとりん時の顔、アレ、TV向けじゃねぇだろ?
一方、雲霧を追う火付盗賊改方の長官である安部式部役の國村隼が顔も声も渋くて素晴らしいです。あとね、エンクミが雲霧側の密偵役、京野ことみ火付盗賊改方側の密偵役で出てるんだけど、キャラかぶり過ぎ!「ショムニ」のドラマ版と映画版で、同じ役をやった二人が、両陣営の密偵役って!
マジでNHKってキャスティングが絶妙で素晴らしいわぁ。マジで今後の放送が楽しみになっちゃった。
全6話らしいので、第1話を見逃した人も第2話から見ていただければ!期待に背くコトはないと思います。


で、余談ですが、同じ”仁左衛門”繋がりで、右肩腱板断裂で舞台を降板した片岡仁左衛門丈の一日も早い復帰をお祈りいたします。


NHK BSプレミアム『雲霧仁左衛門』