野田地図『MIWA』観劇

多分、みんな言うだろうけど、どぉせなら「KAT-TUN」と「NEWS」をくっつけて「KA-NEW」にしちゃえば?8人組でさ。あ、オレが新しく「KA-NEW」してやっても、イ・イ・ぜ?って、未だにジャニーズに入りたいのか?TARです。



今年最後になるだろう観劇部の活動で、NODA・MAP『MIWA』を観てきました。
それも、午後からお休みを取っての昼公演。昼前に急ぎの仕事が飛び込んできたというのに、交渉して翌日まで期限を延ばしてもらっての午後休。仕事より遊びを優先するダメなサラリーマンの典型。滝クリから「ロ・ク・デ・ナ・シ♪」って言われても甘んじて受け入れます。


相変わらず、うちのチケットギャングが確保した席は6列目と、過去のNODA・MAP観劇史上最高の席。まぁ昼公演だからかね?ただ、さすがに昼公演は客席のババァ率が異常。9割を超えてると思う。もちろんステキな有閑マダームも多いんですが、基本的にはオバちゃんだらけで、オレらダメリーマンがプカリと浮く程。
しかも、夜公演ではまず見ないような下品なババァも結構な数で居て「演歌のリサイタル?」って趣き。まぁ、それでも客席に防虫剤と香水の合わさったスメルが充満するぐれぇなら我慢する。アタイ、我慢する。そうじゃねぇんだよ。オレから通路を挟んだババァの2人組、公演中にぺちゃくちゃ喋るわ、ガサゴソとアメちゃんを出すわ、その個装の小袋をカサカサといじるわ、アハハハハって声を出して笑うわ、視界に入るトコで足をブラブラさせるわ、もぉ最悪!遠くの方ではケータイの着信音まで鳴ってるし!吉本新喜劇日光猿軍団でも観に来てるつもりなのか、野田地図を観る資格ねぇよ!殺したくなりました。
あ、ちなみにナイロン100℃の看板女優犬山イヌコ女史が斜め前の席に座ってましたが、誰一人気付いた様子もなく、完全に一般のオバちゃん達と同化してました。先日の高田聖子女史もそうでしたが、舞台女優って意外に地味ね。


客席が下手な精進料理なら、キャストは異常に豪華な満漢全席。
宮沢りえ瑛太井上真央小出恵介浦井健治青木さやか池田成志野田秀樹古田新太
知らない人が一人も居ない!ちょっとしたスペシャルドラマのキャスティングって言ってもおかしくねぇだろ、コレ!え?浦井くん、知らない?そういうヤツは、そっちで焼酎飲みながらカッパ巻きでも食ってろ。
さすがにお宮がイイのは折り込み済み。今回オレが期待していた井上真央が、期待以上に良かったねぇ。初めて舞台で観たけど、度胸がイイというのか、のびのびとしてた。さすがは朝ドラ女優。ん?最近、朝ドラ女優をよく観るな。
あとは、N先輩とF先輩。ガッツリと支えるカンジですよ。F先輩が派手な笑いを取って、N先輩が細かい笑いを取る。ベテランの二人が居るからか、舞台上の野田さん、なんだかリラックスしてるように見えた。


ストーリーとしては、宮沢りえ演じる主人公しんご(後の美輪明宏)が、男のカラダと女のココロを持つ存在として生まれ、それと同時に、古田新太演じる男でも女でもない両性具有の化け物=アンドロギュヌス(安藤牛乳)という人格も持ったまま、激動の人生を歩むという話。一人二役でなく、二人で一役を演じるという、ちょっと変則的なキャスティング。
お話の舞台は美輪先生と野田さんの出身地である長崎。
昔から「隠れキリシタン」「踏絵」といったキリスト教文化が色濃く残り、戦時中には「原爆」を落とされた街。そこに美輪先生のアイデンティティとも言うべき同性愛を含む「愛」が横軸として紡がれていく。「事実は小説より奇なり」とは良く言ったもので、美輪先生の人生、波瀾万丈過ぎて、我々一般人には到底理解不能。長崎の遊郭に生まれ、物心ついた時にはゲイであるコトを自覚し、10歳で被爆、戦後に15歳で上京し、シャンソン喫茶で歌手になり、そこの客であった三島由紀夫と関係を持ち、さらに当時、石原裕次郎小林旭に続いて人気の高かった”和製ジェームス・ディーン”こと赤木圭一郎とも関係があったとのコト。三島の割腹自殺も赤木圭一郎の撮影中の事故死もストーリー上、サラッと出てきます。あ、もちろん名前は変わってるけどねん。さすがに、最近の美輪先生のライフワークであるスピリチュアル関係までは出てきませんでしたが、こんな壮絶な人生を歩んできたなら、そういった化け物的な能力が発現してもおかしくねぇな、と。
さらに、それを演じる美少年役のお宮ったら、もぉ!素晴らしいの一言!昔から野田地図では影がある役が多かったけど、今回は特に良かったです。凛とした佇まいが独特で、オーラが出まくってました。まさに「オーラの泉」状態。←全然、上手くねぇ。
ちょっと前、後輩とタバコを吸ってる時。「この前の飲み会、居ませんでしたね」「おぉ、舞台観に行ってたからね」「え?舞台とか観るんスか?」「オレの唯一の趣味だよ。今度も宮沢りえ観に行くよ」「宮沢りえ?なんか、懐かしいスね」えぇぇぇ?世間一般から見ると、宮沢りえって既に懐かしい存在?伊右衛門のCMだけでしか見ないイメージ?今年は、三谷&野田の『おのれ!ナポレオン』の代役騒動から、蜷川&唐十郎盲導犬』と続き、今回の野田地図『MIWA』だぜ?こんなにビッグネームの舞台に立て続けに出る女優って、他に居ねぇっつの!TVだけが「売れてる基準」にはならねぇの!


野田地図の舞台って、毎回毎回、ラスト近くなるとギュィィィィン!って視界が狭くなって、その場の空気が重く息苦しくなり、オレは「空間が歪むカンジ」って言ってるんだけど、そういう特徴的なシーンがあるんだけど、今回は残念ながらナシ。オレが観れなかった3年間の間に野田さんの作風が変わったのか、意外にあっさりと終わった印象。精神的にも肉体的にもラクではあったけど、ちょっと野田地図独特のあの感覚が無かったのはちょっと残念。


意外に当日券も出てるようでしたので、オレのように「美輪明宏?意味分かんねぇ!」っていう人でも大丈夫ですから、時間とお金に余裕があれば是非観に行っていただきたいです。これだけの豪華キャストを生で観れる機会なんて、そうそうねぇんだから!シンガーソングライターのmiwaはいつでも観れるって!MIWA、観ろ!