金木犀の花咲く頃

住宅地で金木犀の香りが漂い始めたってのに、今回の台風で全部散っちゃっただろうなぁ。毎年、あれが楽しみだったのに。金木犀の香りを嗅ぐと、無性に鍋が食べたくなるTARです。


最近知った驚きの事実。
昔から、舌にはそれぞれの味覚を感じる場所があって、舌先は甘さ、奥の方が苦さを感じる部分があるって聞いたと思うんだけど、どう?
ソレ、嘘デスヨゥ!全くのデタラメだから!1906年に発表された論文を元に孫引きに次ぐ孫引きで広がった誤情報らしい。スグにデタラメってコトが発表されたらしんだけど、21世紀に入ってからも廃れずに、今でもまことしやかに囁かれているニセサイエンス。
そもそも、全人類が同じ味覚を共通認識しているかってのも怪しいらしいぜ。感じている甘さや辛さの度合いが、人それぞれかも知れないんだって。つまり、オレが「甘い」と思った味でも、他の人は「苦い」って思うコトも有り得るらしい。まぁ、どちらかが味覚障害ってコトもあるけど。まだまだ味覚の分野には明らかにされていない事実もあるらしいぜ。人体って面白いねぇ。


今年度のアタマ、流行にまんまと乗って風疹の罹ったオレも、発症中は一時的に味覚障害になったわ。ナニを食っても味がしない。ニオイによる味の想像はできるんだけど、いざクチに入れると全然違う味&食感で食えない。飲み込めない。生ハム食った時は気分が悪かったねぇ。食感がブニャブニャのゴムみたいで、食べ物って考えるコトができないの。かろうじて塩味は認識できるんだけど、うま味みたいなモノは一切ナシ。例えるなら、塩味の破裂したゴム風船かな。米も細かいゴムのビーズみたいに感じたし、麺類なら食えるかと思ったら、これも古くなってブチブチ切れる輪ゴムの食感。そんな状況が1週間ぐらい続いた。さすがに痩せたねぇ。


味の話で、よく「おふくろの味」って言うじゃん?典型的な例で言えば、肉じゃがとか?なんとなく懐かしいカンジになる料理。あれもマジックね。過去の記憶が思い出されるのは「味」じゃねぇんだよ。実際にノスタルジーを喚起させるモノって「ニオイ」であって「味」ではないコトが研究結果で明らかになってるらしいよ。それも、ニオイによって思い出される記憶は比較的幼少期であるコトが多いとのコト。つまり、自分の幼少期に、母親が得意料理としてよく作っていた料理のニオイが過去の記憶とリンクするコトでセンチメンタルな感情を呼び覚まして、なんとなく「おふくろの味」って思うんだってさ。


じゃ、なんでオレの場合、金木犀のニオイを嗅ぐと鍋が食べたくなるんだろう?オレの母親はあまり鍋料理が得意ではなかったから、子供の頃、土日の夕飯が鍋だったりすると憂鬱になったぐらいで、鍋は「おふくろの味」では絶対にないハズ。なんだろう?季節的なモンなのかなぁ?もしかして、当時のうちのトイレがキンモクセイの香りのサワデーだったのかな?ちなみに、金木犀の香りのサワデーって、もぉ作ってねぇらしいぜ。あまりに一般的に普及しちゃって、「キンモクセイの香り=トイレのニオイ」ってイメージが付いちゃって、さわやかでもなんでもなくなっちゃったからだって。余談。
はぁぁ。気の合うヤツと美味い鍋食いに行きたいなぁ。出来れば鍋奉行が居てくれるとイイなぁ。って、こんなにムシ暑いと、鍋ってカンジでもねぇか。