『生誕100年!植田正治のつくりかた』@東京ステーションギャラリー

仕事でエクセルで表を作ってる時に「合計」って打とうと思ったら、”G”の横の”H”までキー押しちゃって、変換したら「g包茎」って出たTARです。あるある〜。


土曜日、東京駅内にある「東京ステーションギャラリー」にて開催されている『生誕100年!植田正治のつくりかた』展を観に行ってきた。東京ステーションギャラリーって、今回の東京駅の復元に伴い大改修され、大正時代の赤レンガの壁が美しくも近代的なデザインの空間として生まれ変わった場所。丸の内北口の改札を出ると昔ながらの吹き抜けのホールがあるの分かる?シャンデリアが下がっててさ。あの上にギャラリーがあるのよ。もぉ素晴らしい空間。それも見たかったのもあって、台風の影響もあって小雨がパラつくなか、アホ面下げてプラプラと行ってきました。


植田正治鳥取県を拠点に活動したカメラマンで、一部の人には”福山雅治のカメラの師匠”としても知られる人。福山のアルバム『HELLO』のジャケット写真はこの人の手によるモノ。これがキッカケで、福山との交流が始まり、彼に写真の手ほどきをしたとのコト。生涯「アマチュアイズム」を貫いたと言われる人で、国内でもカメラマンとしての確固たる地位を築きながらも、貪欲にいろいろカメラマンの撮影手法を模倣しながら、鳥取県からほとんど出るコトなく創作活動を続け、2000年にその生涯を閉じています。時には「人真似」と揶揄されるコトもありましたが、それこそが彼自身が「アマチュア精神」と呼んだ所以であり、職業カメラマンでありながらも傲慢なプライドを持たずに、常にアマチュアのようなフラットな姿勢で写真に向き合いました。
しかし、生前は「演出写真」という独特の撮影技法で世界的にも有名になり、さまざまな賞にも輝いています。彼の演出写真は、鳥取砂丘という非現実的な風景にモデルを配置し、絵画的なアプローチで撮影するちょっと不思議な写真。イメージとしては、ルネ・マグリットの絵のような写真。分かるかなぁ。分からねぇなら自分でググれ。


ただ、正直言うと、オレ的には名前が売れてきた後の植田正治の写真には心を動かされなかったなぁ。「演出写真」って言えば聞こえはイイけど、それって”ヤラセ”ってコトじゃん。←タイムリーな風刺。あらかじめ決められた構図にモデルを配置して、衣装を着せて、小道具を持たせて、それを撮る。そんなん、写真である必要性、全くねぇし!その瞬間の刹那性を切り取るからこそ”芸術写真”としての意義があるのに、再現可能な構図を切り取って、しかも修正等の手を加えてるなら、それはもぉ”芸術写真”というよりも、コマーシャルな”商業写真”になってるじゃん!って。キクチタケオのコレクション写真や、石橋凌率いるロックバンド『ARB』のPVのオープニングに使われたりして、商業写真としては意義があったとは思うけど、本人が言う「アマチュア精神」とは、ほど遠くなってる気がするのは気のせいか?初期の作品は巨匠木村伊兵衛を彷彿とさせるような戦後の農村の風景、特に無邪気な子供の姿を切り取っていたけど、徐々に絵画的になっていったのが、オレとしては「魅力が薄れた」という印象にしかならなくなっちゃって、それが残念かな。まぁ、あぁいった構図がしっかりしたモダンな写真が好きな人も居るから、取り方は人それぞれだとは思うけどね。


福山雅治のファンなら話題づくりのために観に行ってもイイかと思います。
あと、ココのミュージアムショップがかなりイイです。東京駅の中というコトでアクセスはバツグンですし、オリジナルグッズも充実しているので、ちょっと変わった東京土産を買うなら、覗いてみてもイイと思います。この企画展『生誕100年!植田正治のつくりかた』は来年の正月明けまでやっていますので、東京駅に行く機会があるなら寄ってみるとイイかも。


東京ステーションギャラリー


HELLO

HELLO


植田正治のつくりかた

植田正治のつくりかた