演歌、流行らそうぜ!

休みの度に雪が降りやがるから、出掛けるに出掛けらんねぇよ。映画を観ようと家を出たのに、映画館に着くまでに雪が本降りになったから、映画を観ずにラーメンだけ食って帰ってきたTARです。休みの度にラーメン食ってるな、オレ。で、運動もしねぇから太る一方だわ。


今、世界のファッションピーポーの間で、日本のけん玉が”Extreme Kendama”として静かなブームになっているらしい。元々は日本観光に来た外国人がお土産に買って帰って、それで遊んでるうちにワザがキメられるようになり、折角だからと動画を撮ってYoutubeにアップしたら、友人関係からの口コミで再生回数を伸ばし、徐々にブームになったらしい。それが逆輸入されて、今や原宿や渋谷辺りのショップ店員がマネして、休憩時間に遊ぶようになったとのコト。


ダセェ!


けん玉がダセェんじゃなく、元々が日本古来の玩具なのに、世界で流行り始めたからって飛び付く日本人の軽薄なメンタリティがダセェ。それも、子供の頃から慣れ親しんだけん玉なモンだから、日本人なら誰でもちょっとはワザがキメられるってのに、海外でブームになったからって、いきなり”Extreme Kendama”とか言い始めるトコがダセェ!小学校の頃に♪もしもしカメよ〜カメさんよ〜♪ってやってたクセによ。もし、世界的に日本の『演歌』がブームになったら、やっぱり「今、演歌が熱い!」とか言って飛び付くんだぜ。プライドとか無ぇのかよ!例えば、演歌好きを公言する世界的ギタリストであるマーティ・フリードマンが『ミュージックフェア』とかで石川さゆりと共演したとする。『天城越え』をロックテイストにアレンジして演奏する姿を、たまたま観光で日本に来ていた外国人が観ていたとする。「うぉっ!最近、マーティ・フリードマン見ないと思ったら日本に居たのか!クールだぜ!」と、Twitterに書き込んだとする。それを読んだ日本人が「こんなコトもしてるぜ!」と、坂本冬美の『夜桜お七』のバックで演奏する動画をYoutubeにアップしたとする。さらにそれを観た外国人が「コレってプログレ?ヤベェ!超カッコイイ!」なんてなカンジで、マーティーのネームヴァリューもあって、再生回数が伸びていったとする。そうすっと、やっぱり出てくるわな。「外国人だけど『夜桜お七』を歌ってみた」系の動画が。そのうち、競うように外国人が演歌を歌う動画がアップされるようになり、外国でも演歌というジャンル自体に注目が集まるようになったとする。北島三郎五木ひろしの動画も爆発的に再生回数を伸ばし、サブちゃんがデカい神輿の上で歌う『まつり』の動画なんて、アメリカ西海岸のサーフカルチャーと上手く融合して、「ロングボードに乗って『まつり』を歌ってみた」動画がアップされたりする。さぁて、そんなカンジで世界的にブームとなった『ENKA』に”流行っているモノにはナンにでも飛び付く”という軽薄な日本人はどうするか?もちろん「ENKA、やべぇよ!」なんて言い始めると思うわ。「あ、”演歌”じゃなく”ENKA”ね!」とか言いながらな。で、朝の情報番組でも取り上げられ、全国的に演歌ブーム到来。今まで散々ラップのスキルを磨いてきた地方の高校生も『オラ、東京さ行ぐだ』を歌いだす始末。そうすっと、どんなジャンルにもメジャーじゃない方へと向かう人間が居るもんで、ココにきて角川博とか渥美二郎とか渋い歌手を推す人も出てくる。新沼謙治も「ハトの世話してる場合じゃねぇ!」と、演歌クラシック『嫁に来ないか』を引っさげてパチンコ屋の営業に精を出すようになる。AVEXからアイドル並みのルックスの新人演歌歌手も現れ、EXILE TRIBEからもバックにパフォーマーを引き連れたENKA SINGERがデビュー。昭和からの古参に平成生まれの歌手まで新旧が入り乱れ、群雄割拠の様相を呈する演歌界。キングレコード日本コロムビア、ウハウハ。カラオケのトップランキングは演歌ばっかり。サーフショップの片隅でラメ入りの紫のダブルのスーツや蝶ネクタイが売られるようになる反面、着物も再評価されるようになり、裏原宿に着物専門の古着屋がオープン。スーツ・ドレス派か着物派で「どちらのスタイルがクールか?」で大激論。セレクトショップ店員の首からは金色のマイマイクがブラ下がり、店内では爆音で都はるみ『好きになった人』が流れるようになる。休憩時間にはショップ横でコブシの練習。店を閉めたら近所のスナックでのど自慢。イヤ、ENKA BATTLE。「昨日のBATTLE、熱かったなぁ」だって。地方ローカルのカラオケ番組に老若男女が集まり、平尾昌晃なんて、審査員としても作曲家としても引っ張りダコで、往年のピンクレディー並の忙しさ。韓国からも”K-ENKA”として桂銀淑やらチョー・ヨンピルが再来日。さらに”野獣系演歌”やら”癒し系演歌”とか言われる若手歌手も来日し、東京ドームでファンミーティング&握手会。露出の多い衣装を着た韓国人女性歌手も日本デビューし、新橋のお父さん連中も夢中で歌を覚えるように。そんな大ブームの中、森進一だけは浮かない顔。代表曲『おふくろさん』が歌えない。『襟裳岬』と『冬のリビエラ』だけじゃ、地方的にも季節的にも限定される。仕方なく森昌子とヨリを戻して『じゃがいもの会』も復活させるしか手は無いのか?どうする進一!どうするのだ進一!次週『進一、川内先生の墓前で手を合わせる』の巻!乞うご期待!


って、やべぇな!こんなコトしてる場合じゃねぇ!日本全国に散らばるのど自慢のこまっしゃくれたガキ共を集めねぇと秋元康に先を越される!とりあえず、城之内早苗の事務所に探り入れとけ!中澤裕子?『カラスの女房』?そんなん誰も覚えてねぇから、つんく♂ラインは無視してOK!さぁて、年末の紅白まで忙しくなるぞぉ!おめぇら、けん玉の練習してる時間があったら、マツキヨ行って「のどぬーるスプレー」買い占めて来い!