「華」って書いて「はる」って読ませるのも案外強引よね

ドヒーッ!マンガ『海月姫』の映画化ってだけでビックリなのに、主人公の月海が能年玲奈て!雰囲気は悪くないかも知れんが、想像がつかないTARです。でも、どうせ蔵之介はジャニーズの誰かがネジ込まれるんだろうなぁ。シャープな顔立ちで線が細くて女装しても違和感がないヤツ・・・。いくらI女史のチカラが強大でもキスマイはブサイクだからナイとして・・・、って今の若いジャニさん達、全然知らねぇわ!それにしても、尼〜ずのキャストが気になる!特にばんばさんは誰がやるかが一番気になるわ。


NODA・MAP番外公演 表に出ろいっ! [DVD]

NODA・MAP番外公演 表に出ろいっ! [DVD]


オリンピックのニュースでそれほど話題にはなっていませんが、ベルリン国際映画祭で最優秀主演女優賞を、山田洋二監督の映画『小さなおうち』に出演した黒木華(くろきはる)が獲得しましたね。・・・で、黒木華、って誰?という貴兄に朗報!知らなくても大丈夫。ほとんど知られてない、ほぼ無名女優ですから。ってなワケで、TARさんのお蔵出しオススメDVDシリーズ!今は亡き十八代目中村勘三郎野田秀樹がガッツリとタッグを組んだ舞台、野田地図番外公演『表に出ろいっ!』でございます!黒木華、この舞台が実質的なデビュー作。このDVDの収録が2010年の9月だから約3年半前。ってコトは、華ちゃん、今23歳だから当時19歳ってコトか!たった3人しか登場しない密室劇で、野田秀樹中村勘三郎という海千山千の役者二人を相手に、堂々と渡りあってたのが10代だったってコト?。スゲェ!まさに大抜擢!普通なら、この大物オッサン二人の共演者となると、そりゃどんな女優が来ても飲まれちゃう気がするけど、失うモノがないってコトと若さってのは恐ろしいねぇ。


浦安方面にある『東京ディスティニーランド』が大好きな能の宗家の父、小さ過ぎる男の子のアイドルグループ『ジャパニーズ』を愛する専業主婦の母、味のクドさがクセになるハンバーガーチェーン『クドクナルド』にこだわるロンドン留学帰りの娘。それぞれの思惑があって外出したい土曜の夜。けれど、臨月を迎えて、今夜にも子供が産まれるかも知れないという飼い犬のピナ・バウシュ(←何故?)の面倒を誰が見るかで、家族間で言い争いが始まる。ってのがザックリとしたストーリー。この娘役で黒木華は女優として初めて脚光を浴びました。


実はこの舞台、娘役はWキャストで、黒木華の他に太田緑ロランスが同じ役を演じています。って、ロランスについても「誰?」って人が居るだろうけど、そこまで親切じゃねぇよ、オレも。当然、オレはWキャストのどっちも観てるんだけど、贔屓目抜きにして、女優として魅力があるのは黒木華だと思った。う〜ん。語弊があるかな。どっちも素晴らしくイイんだけど、この舞台の役に関しては黒木華の方が数段上手かったと書いた方がイイか。うん。ロランスって、フランス人とのハーフってコトもあって、目は大きく鼻筋も通ってて、所謂”美形ちゃん”ってヤツですわ。しかもスタイル抜群。でもね、そんな美形、勘三郎の父と野田秀樹の母の間には生まれないよね。二人の娘って設定にしては、バランス的に妙に浮いちゃうのよ。だったら華ちゃんの、小さな目と純和風の顔立ちの方が、より親近感が沸いてリアルに感じられる。演技という意味で言えば、ロランスの方がセリフはハッキリ聞こえるし、動きが大きいから舞台には向いてると思う。ただ、この芝居に関しては、華ちゃんの動きの方がコミカルだし、二人の娘に思えてくる。3人しか出演しない舞台で、それも密室劇で、しかも設定は家族ときたら、セリフだけじゃなく、カラダもガッツンガッツンぶつかり合う芝居になるけど、華ちゃん、全くモノ怖じしないカンジで、イイ意味で緊張していないように見える。ホントに、これがデビューなんて到底思えない。


いつもの野田地図の舞台だと基本的にはシリアスなシーンが多いのに、この舞台はカラフルな舞台装置や衣装のせいかオープニングから楽しい雰囲気。野田さんの戯曲独特の風刺の効いたセリフや、野田秀樹勘三郎の関係だからこそ成り立つ掛け合い、息をもつかせぬセリフの応酬。しかもお互いにアドリブの連発で、お互いに吹き出してる。でも、さすがに長年舞台に立ってきた二人ですから、そのアドリブの返しもキチンと設定から外れない。こういうのを「あ・うんの呼吸」って言うんだろうなぁ。お互い1955年生まれの同い年。長年の友人関係にあって、演出家と役者としての仕事の繋がりはあったものの、コレが初共演なんだって。それにしても、勘三郎、もぉこの世には居ないんだよねぇ。どぉして死んじゃったんだろうねぇ。芝居の神様も無体なコトをするモンだわ。特典映像のインタビューでも、野田さんに対して「生きてるうちは何度でも共演したい」って言ってたんだけど、それも永遠に叶わないコトになってしまいました。劇中でも「死んじゃあいけませんよ!」ってセリフがあるんだけど、「死んじゃいけないのは、勘三郎、お前さんの方だよぅぅぅぅ!」っていう某Y嬢の声が聞こえてきるような気がするわ。って、黒木華の話と関係なくなっちゃった。まぁ、これからドンドン出てくる女優さんですから、彼女のスタートを観るという意味でも面白いと思います。最後にカーテンコールでJohn Coltraneの名曲『My Favorite Things』が流れるのもニヤリとさせる粋な演出です。オススメちゃん。